葬儀手続きにおいて多くの遺族が見落としがちなのが、国や自治体から受け取れる給付金の申請です。行政書士の立場から言わせていただくと、葬儀費用を少しでも補填するために、これらの制度を賢く利用することが重要です。まず、国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入していた方が亡くなった場合、葬儀を行った人に「葬祭費」として3万円から7万円程度が支給されます。また、会社員などが加入する社会保険の場合は「埋葬料」として5万円が支給されます。これらの申請期限は葬儀日から2年以内ですが、他の手続きと一緒に早めに済ませておくのが無難です。次に、年金関連の手続きです。亡くなった方に生計を維持されていた遺族がいれば、遺族基礎年金や遺族厚生年金を請求できる可能性があります。ただし、これには納付要件などの細かい条件があるため、年金事務所で詳しく確認する必要があります。また、未支給年金の請求も忘れてはいけません。年金は後払いのため、亡くなった月の分まで受け取る権利がありますが、これは遺族が手続きをしない限り支払われません。さらに、所得税の準確定申告も重要な手続きの1つです。亡くなった人が個人事業主であったり、一定以上の年金収入や不動産収入があったりした場合、相続人は死亡を知った日の翌日から4ヶ月以内に、その年の確定申告を代わりに行わなければなりません。これを怠ると延滞税が発生することもあるため注意が必要です。相続税の申告についても、基礎控除額を超える財産がある場合は、10ヶ月以内に税務署へ申告しなければなりません。これらの手続きは、提出先が役所、年金事務所、税務署、銀行と多岐にわたり、それぞれ必要となる戸籍謄本の種類も異なります。1度の帰省や休みですべてを終わらせるのは難しいため、スケジュールをしっかり立てることが成功の鍵です。自分たちだけで判断せず、早い段階で専門家にアドバイスを求めることで、結果的に時間と費用の節約に繋がります。
専門家に聞く葬儀前後の公的手続きと給付金制度