「近親者のみ」で葬儀を執り行った後、遺族にはもう一つ、大切な務めが残されています。それは、葬儀に参列されなかった方々へ、滞りなく故人を見送ったことを報告し、生前の感謝を伝えることです。この事後報告と、その後の対応を丁寧に行うことが、故人と遺族の社会的な関係を円滑に保つ上で非常に重要になります。まず、事後報告は、葬儀後あまり時間を置かず、一週間から二週間以内を目安に行うのが一般的です。連絡の手段は、はがきや封書による通知状が最も丁寧な形です。特に、目上の方や会社関係者へは書面で報告するのがマナーです。親しい友人などであれば、メールや電話で報告しても良いでしょう。通知状には、①故人が亡くなった事実と日付、②葬儀を近親者のみで済ませたことの報告、③生前のご厚誼への感謝、④事後報告となったことへのお詫び、を盛り込みます。そして、「誠に勝手ながらご香典等は固くご辞退申し上げます」と、弔問や香典などを辞退する旨を明確に記すことが、相手に余計な気を遣わせないための大切な配慮となります。事後報告をした後、中には「それでも一目お線香をあげたい」と、自宅への弔問を希望される方もいらっしゃるかもしれません。その申し出を、ありがたくお受けするか、あるいは丁重にお断りするかは、遺族の判断に委ねられます。もしお受けする場合は、相手の都合だけでなく、自分たちの心身の状態も考慮し、無理のない範囲で日時を調整しましょう。弔問客が途切れなく訪れると、かえって負担が大きくなることもあります。逆にお断りする場合は、「お気持ちは大変有り難いのですが、まだ心の整理がつきませんので、今はそっとしておいていただけますでしょうか」といったように、相手の気持ちに感謝を示しつつ、こちらの状況を正直に伝えることが大切です。葬儀という儀式は終わっても、故人を悼む人々の想いは続きます。その一つひとつの想いに、誠実に向き合っていくことが、遺族としての最後の務めと言えるでしょう。