葬儀費用の準備を考える際、よく混同されるのが「無告知型(告知なし)」と「引受基準緩和型」の保険です。これら2つは、健康状態に不安がある方でも入りやすいという点では共通していますが、その仕組みと加入のしやすさには決定的な違いがあります。まず、引受基準緩和型保険は、告知項目が3つから5つ程度に絞り込まれているものの、依然として「告知」が必要です。例えば「過去3ヶ月以内に入院や手術を勧められたか」「過去2年以内に入院や手術をしたか」といった問いに「いいえ」で答えられなければ加入できません。これに対し、無告知型葬儀保険は、こうした問いすら存在しません。つまり、現在入院中であったり、近々手術を控えていたりする方でも、原理的には加入が可能という究極の緩和型なのです。この「告知の有無」は、加入できるかどうかの境界線となります。引受基準緩和型ですら謝絶された方にとって、無告知型は最後の砦となります。保障内容についても違いがあります。緩和型は医療保障(入院・手術給付金)がメインであることが多いのに対し、葬儀保険はその名の通り死亡保障に特化しています。また、保険期間についても、緩和型は終身タイプが多いですが、無告知型葬儀保険は多くが少額短期保険の形態を取っており、1年更新の掛け捨て型が主流です。これにより、葬儀保険は解約返戻金がない代わりに、高齢になってからでも安価な保険料で高額な死亡保障を準備できるようになっています。コスト面では、告知の条件が緩いほど、また告知がないほど、保険料は高くなるのが一般的です。そのため、もし3つの告知項目をクリアできる健康状態なら引受基準緩和型を、それすら難しい、あるいは告知そのものが煩わしいという方は無告知型を選ぶという住み分けが重要です。無告知型葬儀保険の「誰でも受け入れる」という姿勢は、他のどの保険にもない最大の独自性であり、社会的なセーフティネットとしての役割も果たしているのです。
葬儀保険と引受基準緩和型保険の決定的な違い