ある日、友人や知人、会社関係者から「葬儀は近親者のみにて執り行います」という訃報を受け取った時、私たちはどのように対応すべきでしょうか。故人を悼む気持ちから、すぐにでも駆けつけたいと思うかもしれませんが、ここでは遺族の意向を尊重することが最も大切なマナーとなります。まず、案内状に「近親者のみ」という記載があった場合、原則として通夜や告別式への参列は控えるべきです。遺族は、あえて参列者の範囲を限定することで、心穏やかに故人を見送る時間を作ろうとしています。その想いを汲み取り、弔問に押しかけることは、かえって遺族の負担を増やし、大変失礼にあたる行為です。同様に、「ご香典 ご供花 ご供物の儀は固くご辞退申し上げます」という「ご厚志ご辞退」の記載があった場合も、その意向に従いましょう。良かれと思って香典や供花を送ってしまうと、遺族は香典返しの手配など、余計な手間を強いられることになります。遺族の気持ちを尊重し、「何もしない」ことが、この場合の最大の思いやりとなるのです。では、弔意を示すことはできないのでしょうか。そんなことはありません。葬儀に参列しない代わりに、弔電を打つことは、遺族の負担になりにくく、スマートに弔意を伝える方法として許容されています。また、葬儀が終わってしばらく経ち、少し落ち着いた頃を見計らって、お悔やみの手紙を送るのも良いでしょう。手紙には、故人との思い出や、ご遺族を気遣う言葉を綴ります。もし、後日改めて弔問に伺いたい場合は、必ず事前に遺族に連絡を取り、都合の良い日時を確認してからにしましょう。突然の訪問は厳禁です。遺族の「静かに見送りたい」という願いを最優先に考え、一歩引いたところから静かに故人の冥福を祈り、遺族を気遣う。それが、訃報を受け取った側の、成熟した大人の対応と言えるでしょう。
「近親者のみ」の訃報を受け取った時のマナー