通夜が終わり、一般の弔問客が帰路についた後、斎場には喪主や遺族、そして宿泊する親族だけが残ります。故人と過ごす最後の夜は、静かで、しかし翌日の告別式に向けた準備も伴う、独特の時間です。この夜から翌朝にかけての具体的な流れと、心構えについて知っておきましょう。まず、通夜振る舞いが終わると、宿泊者以外は解散となります。残った親族は、まず寝具の準備を始めます。葬儀社のスタッフが手伝ってくれることもありますが、基本的には親族間で協力して布団を敷きます。部屋割りや寝る場所について、年長者や体調が優れない方を優先するなどの配慮が必要です。その後、交代で入浴やシャワーを済ませます。多くの斎場では、使用時間が限られているため、順番や時間を譲り合いながら利用することが大切です。すべての準備が整うと、ようやく故人と向き合う静かな時間が訪れます。交代で線香の番をしながら、故人のそばで思い出を語り合ったり、ただ静かに寄り添ったりと、それぞれが思い思いの形で最後の夜を過ごします。しかし、あまり夜更かしは禁物です。翌日の告別式は、遺族にとって最も心身の負担が大きい儀式です。少しでも体を休め、万全の体調で臨めるように心掛けましょう。翌朝は、告別式の開式に間に合うよう、早めに起床します。洗面を済ませ、身支度を整えます。この時、替えのワイシャツやブラウス、ストッキングに着替えると、気持ちも新たになり、清潔感を保つことができます。喪服にシワが寄っている場合は、備え付けのアイロンや、なければ衣類用のシワ取りスプレーなどで整えます。朝食は、葬儀社が簡単なもの(パンやおにぎりなど)を用意してくれる場合もあれば、自分たちでコンビニなどで購入しておく必要がある場合もあります。事前に確認しておきましょう。朝食を済ませ、すべての身支度が整ったら、告別式が始まるまで、再び故人のそばで静かに過ごします。この慌ただしくも濃密な一夜が、故人との別れを受け入れ、きちんと送り出すための、大切な心の準備期間となるのです。
通夜後の宿泊と翌朝の告別式準備