「近親者のみ」で葬儀を行うと決めた際、その意向を関係者にどう伝えるかは、最も神経を使うプロセスです。伝え方を一つ間違えると、相手に「自分は呼ばれなかった」という寂しさや不快感を与え、後の人間関係に影響を及ぼす可能性もあります。失敗しないための伝え方のポイントは、「明確さ」と「丁寧さ」です。まず、誰に参列してほしいのか、誰に参列を遠慮してほしいのかを明確に区別し、連絡方法を変える必要があります。参列してほしい親族や親しい友人には、まず電話で訃報と葬儀の日時・場所を伝えます。この時、「家族葬として、ごく近しい方だけで静かに見送りたいと思っておりますので、〇〇さんにはぜひ参列していただきたく、ご連絡いたしました」と、あなたが「近親者」の範囲に含まれていることを明確に伝えると、相手も安心して参列できます。一方、参列を遠慮していただく会社関係者や一般の友人・知人に対しては、連絡のタイミングが重要です。葬儀の前に連絡すると、相手は「参列すべきか」と迷い、気を遣わせてしまいます。そのため、原則として、葬儀が終わった後に「事後報告」という形で訃報と葬儀を済ませたことを知らせるのが最も丁寧なマナーです。連絡手段は、はがきや封書、あるいは親しい間柄であればメールなどを用います。その際の文面には、「故人の遺志により 葬儀は近親者のみにて滞りなく相済ませました」という一文を必ず入れます。さらに、「誠に勝手ながら ご弔問 ご香典 ご供花等は固くご辞退申し上げます」と書き添えることで、相手に余計な気遣いをさせずに済みます。この「辞退」の意思表示を明確にすることが、最大の配慮となります。故人と遺族の想いを尊重してもらうための、丁寧で誠実なコミュニケーションを心掛けましょう。