葬儀における「近親者」とはどこまでか
「葬儀は近親者のみで執り行います」という案内を受けた時、多くの人が「自分は近親者に含まれるのだろうか」と悩むことでしょう。また、遺族の立場になった際も、どこまでの範囲を「近親者」としてお呼びすれば良いのか、その線引きは非常に難しい問題です。実は、葬儀における「近親者」という言葉に、法律などで定められた明確な定義は存在しません。一般的には、故人の配偶者、親、子、兄弟姉妹といった、一親等から二親等までの親族を指すことが多いようです。それに加えて、故人と同居していた家族や、特に親しくしていた甥・姪、孫などが含まれることもあります。しかし、最終的にどこまでを「近親者」とするかは、喪主をはじめとする遺族の判断に委ねられます。例えば、親族とは疎遠であった一方、家族同然に付き合ってきた親友がいた場合、その親友を「近親者」として葬儀にお呼びすることは、決して間違いではありません。逆に、血縁関係は近くても、ほとんど交流がなかった親戚には、参列を遠慮してもらうという判断もあり得ます。大切なのは、故人が誰に見送られたいと願っていたか、そして遺族が誰と共に静かに故人を偲びたいかと、その想いを基準に考えることです。この線引きは、時に人間関係の軋轢を生む可能性もあるため、家族・親族間で事前によく話し合い、コンセンサスを得ておくことが非常に重要です。そして、参列をお願いする方、遠慮していただく方の双方に対して、その意図がきちんと伝わるよう、丁寧なコミュニケーションを心掛ける必要があります。「近親者」の範囲とは、血縁の近さだけでなく、心の近さによって決まるものなのかもしれません。