小さなお子様を連れて葬儀に参列しなければならない場合、保護者の方は、服装や持ち物以上に「どこに座るべきか」という点に頭を悩ませるかもしれません。厳粛な雰囲気の中で、子供がぐずったり、騒いだりしないだろうかという不安は、非常に大きいものです。このような場合、座る場所を戦略的に選ぶことで、親子双方の精神的な負担を大きく軽減することができます。まず、最も理想的なのは、会場内に「親子室」や「授乳室」といった個室が設けられている場合です。ガラス張りになっていて中の様子が見える親子室であれば、儀式の雰囲気を壊すことなく、子供が少し声を出しても周囲に気兼ねせずに済みます。斎場に到着したら、まずこうした設備の有無をスタッフに確認してみましょう。もし、そうした専用の部屋がない場合は、基本的には「出入り口に最も近い、後方の席」を選ぶのが賢明です。この席であれば、万が一お子様がぐずってしまった際に、他の参列者の前を横切ることなく、速やかに、そして静かに会場の外へ出ることができます。特に、中央の通路側ではなく、壁際の席を選ぶと、よりスムーズに退出しやすくなります。前方の席や、中央の席に座ってしまうと、退出する際に多くの人の注意を引いてしまい、保護者の方の心理的なプレッシャーも大きくなってしまいます。また、後方の席であれば、多少子供がごそごそと動いても、前方の参列者の視界に入りにくく、儀式の妨げになりにくいというメリットもあります。葬儀社のスタッフに、子連れであることを事前に伝えておけば、こうした退出のしやすい席へと配慮して案内してくれることも多いでしょう。子連れでの参列は、それ自体が大変なことです。無理に儀式の全てに参加しようとせず、「子供の様子がおかしくなったら、すぐに退出する」という心構えで、周囲への配慮を最優先に考えた席選びをすることが、結果として、心穏やかに故人を偲ぶことに繋がるのです。
子連れで参列、どこに座るのがベストか